何が面白いのかは書いておけ

最近3年くらい前に書いたメモ(だいたいScrapboxにある)を見直すことがあって、そのときに思ったことがこれ。

〇〇が面白いとか素晴らしいとかそういった感情面のコメントが一言だけが書いてあって、それを書いたこと自体を忘れていたのだが、そういうときにその理由が書いてないと記憶をリストアできないよなと。

なのでどんなに些細なことでも一応理由っぽいものを言語化して書いておく方が、自我が連続していることを認識できるというか、後々のためになるのかもしれない。その一環もあり自分のプライペートなメモで留めておくとどうしても言語化のレベルが低くなるからこうしてブログを書いている。

忘れるっていう話に関連すると グーグル効果 - Wikipediaというものがある。これは検索システムがあることによって、ググって調べれば済むことを覚えなくなるから記憶力が低下するというもので、確か最初に知ったのはウィリアム・パウンドストーンのクラウド時代の思考術からだったと思う。 個人的には結構同意できるところがあるんだけど、2018年の追試で再現しないことが報告されたようだ。

No conclusive evidence that difficult general knowledge questions cause a “Google Stroop effect”. A replication study [PeerJ]

どちらかというとGoogleのせいで記憶力が低下しているというより、集中力がスマホで散漫になって記憶力が落ちてるみたいな現象が起きてる気がしている。スマホが脳にどういう影響を及ぼしてるのかについては、そろそろ信頼のおける学術的な報告がありそうだから調べてみたい。

あとメモを見返していて思ったのは覚えたり考える知識の量が減っているというよりも、借り物っぽい知識が最近増えてしまっていることが問題かなと*1。 これの何が良くないかというと、自分なりの思考や言説を深められていないということで、要はアイデンティティの喪失みたいな話である。

スマホSNSは反射的な感情の想起とインスタントな思考、そしてネットワーク効果による群生化を促したと思うんだけど、これを突き詰めていくと幼年期の終わりに出てきた新人類みたい形態に近づいていくんだろうか。なんにしてもそういう流れには抗っていきたい。

*1:これについては車、不動産や経済のような専門分野でない本を中心に読んでるっていう要因も大きそう